写真家たち | 早稲田大学 校友会
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写真家たち

多くの写真家を輩出している早稲田大学。
写真家、そして写真を取り巻く人々の考えや活動から見えてきたのは「在野精神」や「進取の精神」だった。

進取の精神 変化する写真表現 10人の写真家
川島小鳥/石川直樹/うつゆみこ/鷹野隆大/藪 乃理子/岩波友紀/楢橋朝子/新納 翔/中藤毅彦/鬼頭志帆

監修 : タカザワケンジ

川島小鳥


©Kawashima Kotori

作品名:未来ちゃん
写真家:川島小鳥

子供の頃、台風の日にひとりで家にいて、胸がざわざわして誰かに電話したくなるような気持ちになったのを覚えている。学生の時に古い映画を観て、いつかどこかにいた誰かのことを思ってまたそんな気持ちになったり。胸が締め付けられる、苦しいような嬉しいような感覚。その時はそんな名前も付けられない感覚をどう扱っていいか分からなかったけど、ある時、それを自分自身で形にしたり、誰かに伝えることができたら解決するのではないかと思った。今から考えると先にその願望があって、写真に出会ったのはその後でした。そういう衝動や希求は僕の基本精神にあるのかもしれません。写真を撮ることや見ること、見せること、写真にまつわることを通して。

川島小鳥

かわしま・ことり/1980年東京都生まれ。2003年第一文学部仏文科卒業。主な写真集に『BABY BABY』(新風舎、2007)、『未来ちゃん』(ナナロク社、2011)、『明星』(ナナロク社、2014)、『おやすみ神たち』(ナナロク社、2014)、『おはようもしもしあいしてる』(CCCアートラボ株式会社、2020)、『まほう』(TVBF、2020)がある。第42回講談社出版文化賞写真賞、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞。

岩波友紀


©Yuki Iwanami

作品名:シリーズ『Blue Persimmons』
写真家:岩波友紀

自分は何者か。人間とはいったい何者か。写真表現をしている根本の理由は、それを知りたいからだ。その方法として、自分の内面よりも他人や人間社会を深掘りすることのほうが自分には合っている。なので人間そのものや、人間の営み、人間が引き起こす社会問題を題材に取り組んでいるのだと思う。私の写真はドキュメンタリーフォトというジャンルに属する。表面的には事実を伝え啓発するジャーナリズムのようにも思われるが、表層の事象ではなく奥深くにある人間の根源を浮かび上がらせ、見る人にもそれを感じてもらいたいと思っている。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」。早稲田大学時代に知ったポール・ゴーガンの作品タイトルの言葉を、写真を通して追求しているのだと思う。

岩波友紀

いわなみ・ゆき/1977年長野県生まれ。2000年第一文学部史学科美術史学専修卒業。読売新聞写真部を経てフリーの写真家。現在福島県に移住し活動。主な写真集に『One last hug -命を捜す-』(青幻舎、2020)、『紡ぎ音』(入江泰吉記念写真賞実行委員会、2021)がある。2018年NPPAベストオブフォトジャーナリズム3位、2020年入江泰吉記念写真賞、2020年ユージン・スミス賞など受賞。

鬼頭志帆


©Shiho Kito

作品名:off CG Road-2, Ahmedabad, India, 2008 From series of Pikari(2008-2016)
写真家:鬼頭志帆

インド西部グジャラート州最大の都市、アーメダバード。2008年に短期留学生として初めて訪れた時、街はヒンディー暦における新年「ディワリ」を迎えていました。昼間は砂埃で霞む街並みが電飾で飾りつけられ、夜の間だけ銀河のような輝きを放ち、それはまるで街の隠された横顔のようでした。夜の帳がおりると、木製の大判カメラと三脚を担いで、光を探して街を歩き回りました。1枚の露光に60分前後かかるため、一晩に撮れるのは2〜4枚ほど。長時間露光していると、カメラの前で移り変わる空の色や街の灯りが写真の中でひとつに溶け合い、肉眼では見ることのできなかった景色が印画紙に立ち現れてきます。撮影中、光を眺めていると、幼かった頃に母と見た夕暮れの一番星を思い出しました。地上の光に導かれるように、自分が知らない街の夜の地図を作るように撮り始めたのが、8年にわたる作品『Pikari』のきっかけでした。

鬼頭志帆

きとう・しほ/1980年静岡県生まれ。2004年教育学部英語英文学科卒業。在学中は写真部に在籍。その後東京藝術大学を経て英国で写真を学び、ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション写真科にて修士号取得。第6回1_WALL(写真)ファイナリスト。文化庁新進芸術家海外研修員としてインド国立デザイン大学院にて特任研究員。現在法政大学、相模女子大学にて講師を務める。

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